認知症かも?受診のタイミングと何科を受診すべきかまで解説

小森美紅のアイコンこの記事を書いた人
小森美紅 看護師・医療系Webライター
認知症かも?受診のタイミングと何科を受診すべきかまで解説
この記事でわかること
  • 加齢によるもの忘れと認知症の違いがわかる
  • 受診を考えたい症状と、早めに受診するメリットがわかる
  • まずどこに相談すればよいか、何科を受診するかがわかる

「最近親が何度も同じ話をする」「もの忘れがひどくなった」そのとき認知症を疑うかと思います。認知症という病気は身近なものになりました。

加齢によるもの忘れと認知症は似ている部分もありますが、日常生活への影響や症状の現れ方には違いがあります。

認知症は加齢そのものではなく病気です。原因によっては治療で症状が改善する場合があります。また進行を緩やかにする治療法もあります。

日々の生活の中で気になる変化があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

認知症について

認知症とはそもそもどういった病気なのでしょう?認知症には種類があること、診断基準について説明していきます。

首をかしげて考える男性のイラスト

認知症とは

厚生労働省の研究班による推計では、2022年時点で認知症の人は約443万人、65歳以上の約8人に1人とされています。アルツハイマー型認知症が最も多く約7割ですが、認知症には種類があります。

レビー小体型認知症、血管性認知症など、それぞれに特徴的な症状があります。認知症以外の病気が潜んでいる可能性もあります。

認知症は加齢や生活習慣、健康状態によって脳の神経細胞が障害され萎縮すること、異常なたんぱく質が溜まることが原因で発症するとされています。

認知症の診断

診断にはガイドラインに沿った診察が必要です。記憶力・判断力を判定するテストを行い、病気として診断されます。

治療薬があり症状改善が期待できる場合があります。

認知症を疑うサインとは?

認知症の症状が出てきた場合、自分では気付きにくいことがあります。一緒に過ごしてきた家族が異変に気付くことも多いです。

もの忘れと認知症、症状の違いを解説していきます。

物忘れに戸惑う高齢の男性と、話を聞く医師のイラスト

加齢によるもの忘れとの違い

人は誰でも加齢とともに脳の機能が衰え、もの忘れが現れてきます。

これは加齢変化であり病気ではありません。違いを表にまとめました。

加齢によるもの忘れ

認知症の症状

一部を思い出せない(朝食のおかずを思い出せない)

体験そのものを忘れる(朝食を食べたこと自体を忘れる)

ヒントがあれば思い出せる

ヒントがあっても思い出せないことが多い

「忘れてしまった」と自覚している

忘れていることを自覚していない

日常生活への影響はほぼない

家事や金銭管理にも支障が出る

判断力、理解力は保たれている

判断力、理解力も低下することがある

認知症の初期は、本人よりも家族が変化に気づくケースも多くあります。

単なるもの忘れではなくヒントで思い出せない、行動や性格の変化が現れた場合は認知症の可能性があります。

受診するタイミング

認知症は加齢変化によるもの忘れとは違うと説明しました。「症状の違いは分かったけど受診は絶対に必要なの?」と思いませんか?

受診を検討したほうがよい状況についても解説していきます。

自宅が分からず道に迷う高齢の女性のイラスト

受診を検討するべき主な症状

  • 慣れていた家事も難しくなる: 長年やってきた行動の方法を忘れる、手順が分からなくなる、操作ができなくなる
  • 同じことを何度も質問したり話したりする: 少しの間で何度も同じ質問を繰り返す(短期記憶障害)
  • 時間や場所が分からなくなる: 日付や曜日が分からない、慣れている道に迷う
  • 物事が考えられなくなる: 使わない高価な買い物をする、季節に合わない服装で外出する
  • 性格にも変化が出る: 急に怒りっぽくなる、周りが「以前と違う」と感じる変化
  • 「盗まれた」といった思い込みがある: 財布や鍵などを頻繁になくし「盗まれた」「取られた」と思い込む

もの忘れや行動の変化が一時的なものではなく、日常生活に影響が出始めたら受診を検討しましょう。説明した症状があれば認知症、というわけではありません。

症状が急激に現れた場合や、意識障害や呂律が回らない、といった場合は緊急性の高い病気が隠れている場合があります。速やかに医療機関を受診しましょう。

早期受診のメリット

早期に診断を受けることで、適切な治療を行い症状改善が期待できる場合もあります。

似た症状を引き起こす病気が見つかった場合は、ほかの治療ができる可能性があります。

「常に見守っていなければいけない」「性格が変わり気性が荒くなった」日常生活に支障をきたしている場合、ご家族の介護負担はとても大きいと思います。

介護に疲れている状況で、生活環境の見直しや介護サービスを利用することで、本人だけでなくご家族の負担軽減にもつながります。

「年齢のせい」と自己判断せず気になる変化を相談することが大切です。

認知症は何科を受診すればいい?

「実際に受診したいけど認知症って何科?」と迷う方もいるでしょう。認知症専門外来もありますが、まだ多くはありません。

認知症が疑われる場合、まずはかかりつけ医に相談しましょう。普段の健康状態、服薬中の薬を把握しているため症状を総合的に判断してもらえます。

必要に応じて専門医や専門外来を紹介してもらえます。

指を立てて説明する医師のイラスト

かかりつけ医がいない場合は脳神経内科、認知症専門外来、もの忘れ外来を受診するとよいでしょう。認知症の種類によっては精神科・心療内科で診療を行うこともあります。

何科に行けばよいか分からない、近くに専門外来がない場合でも、身近な医療機関に相談することが早期診断・早期治療への第一歩です。

まとめ

認知症は加齢によるもの忘れとは違い、日常生活に影響が出ることが特徴です。

家族が「以前と様子が違う」と感じる変化があれば、年齢のせいと決めつけず、早めに医療機関を受診しましょう。

まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医や専門外来を受診しましょう。

早期受診・早期診断によって、適切な治療や介護サービスを受けることにつながり、本人・家族が安心できる今後の生活を考えることができるでしょう。

参考文献

この記事は、ひとさじ帖編集部が内容と表現を確認したうえで公開しています。編集方針

ABOUT THE WRITER
小森美紅のアイコン
小森美紅
看護師・医療系Webライター

看護師として、消化器外科の病棟を中心に、手術室やホスピスでも患者さんとご家族に向き合ってきました。その経験を生かし、医療系Webライターとして活動しています。医療の知識がない方にも読みやすく、不安をやわらげられる記事を心がけています。

  • 医療・看護
  • 消化器の病気
  • 看病・介護